ENSAとの技術交流

ENSA ENSA(ECOLE NATIONALE DE SKI ET D'ALPINISM)
フランス国立スキー登山学校。スキー指導員、或いは登山ガイドの養成を行う国立の学校です。
フランスでガイドになるためにはここを卒業してガイド試験にパスしなくてはならない。ヨーロッパ、いや世界で最も進んだガイド養成機関と言われている。

(交流のはじまり)

(社)日本アルパインガイド協会は1997年にENSAとの技術交流の協定を公式に結び、交流を始めた。
交流とは言ってもその内容はENSAでのガイド技術指導を受けることが主なものである。氷河のないわが国ではなかなか叶わない氷河技術やレスキュー技術、伝統に裏打ちされたガイド技術とガイドを取り巻く環境、ガイドの自覚の高さ。そのどれもが我々の学ばなければならないものばかりであった。
2001年までの5年間で延べ18名の当協会ガイドがENSAでのガイド研修に赴いている。こんごも更にENSAでの技術交流を行うとともにガイドの質の向上を図っていきたい。


協定時の模様がフランス紙("1997.7.4 le davphine france")に掲載されました。握手するENSAのジャン・ベルナール・パイイッセー校長と松島利夫 AGS−J事務局長です。

(紙面の訳文)

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ENSAが日本とフランスの間で新しい時代のテクニックの伝達を開始した。国立スキー登山学校のジャン・ベルナール・パイイッセー氏は火曜の晩、喜びを隠せないように日本アルパインガイド協会との受け入れの合意書にサインした。これでENSAは、日本のアルパインガイドの技術の完成の中心となったことになる。毎年シャモニの教授のもとで4人の日本のガイドがトレーニングする。
2週間のあいだ、選ばれた山男たちがモンブラン山群の氷河を登高することとなる。
この日本、フランス間の合意は、日本におけるENSAの名声によるところが大きい。日本アルパインガイド協会の事務局長である松島利夫氏は「日本でENSAはガイド養成のトップのトップ」であることを確認する。松島利夫氏は、ジャン・フランコ氏とアンドレ・コンタミン氏の時代に学校に来ており、これは「交歓と知識を豊かにする時代だった。」と当時を想い日本の山男は語る。そしてこのことが、全ての山関係の仕事のお互いのディプロムを認め合うまでになることも夢ではないだろう。
------1997.07.04 le davphine 訳:斉藤和英


(交流協定書)

   

AGS−J事務局長、松島利夫とENSAジャン・ベルナール・パイイッセー校長がサインしています。)


◎AGSJ会員のENSA研修報告書はこちらにあります。(一般には非公開とさせていただきます。)

◎ジャン・クドレー教官来日時の報告書とインタビュー記事(長野岳史ガイド)はこちらです。(一般公開、自由にご覧下さい。)